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ガールズバーの開業資金はどのくらい?内訳や必要な資格・許可も紹介

ガールズバー開業を検討するにあたって、初期費用や準備について何をすればよいのか不安に感じる人もいるでしょう。事前に必要になる費用相場を知り、計画を立てれば資金調達がしやすくなるだけでなく、立ち上げ直後の不安定な時期も乗り切りやすくなります。また、開店後に必要な営業許可が取れておらず、営業できない状態に陥る事態も避けられるよう、取得しておくべき資格および許可を知っておくのも大切です。

この記事ではガールズバーの開業資金の内訳と相場、および必要になる各種資格・許可の取得方法を紹介します。

 

1.ガールズバーの開業資金

ガールズバーの開業では以下のような準備が必要になり、開業資金として約300万~500万円が必要です。ただし、地域や物件、立地などの条件によって必要金額は異なり、繁華街の一等地などにお店を構える場合は最大で1,000万円以上必要になるケースもあります。

1 営業形態を決める
深夜まで活動できるお店にするのか、昼間に主に開くカフェに近い営業形態のお店にするのか、などを決定します。
2 お店のコンセプトを決める
開業予定のエリアの競合を調査し、需要のあるコンセプトを決めます。
3 開業に必要な資金を調達する
物件取得費・内装工事費・什器および消耗品費・採用コスト・当座の運転資金などを計算し、必要資金を調達します。
4 物件を探し内装工事をする
条例で開業可能なエリアの中から、営業形態やコンセプト、予算などに応じた物件を選び、内装工事を依頼します。
5 必要な資格を取得する
飲食店の改行に必要な各種届出、および深夜まで開くお店であれば深夜酒類提供飲食店営業届が必要です。

開業後すぐに黒字経営になるとは限らないため、資金はできるだけ多く準備しておくとよいでしょう。

 

2.ガールズバーの開業・運営にかかる資金の内訳

ガールズバーの開業・運営にかかる主な費用は以下の通りです。

物件取得費 前家賃、保証金、敷金・礼金、仲介手数料
設備投資費 内装工事費 電気工事費、ガス・水道工事費、キッチン設備工事費、壁紙の張り替え費用など
その他の設備費 インテリア、看板などの購入・設置費用
運転資金 家賃、仕入れ費、広告費、人件費、水道光熱費など

それぞれの内訳と、必要な費用相場を解説します。

 

2-1.物件取得費

ガールズバーを開業するときと運営にかかる資金の大半は、物件取得費用です。物件取得費の内訳と相場は以下の通りです。

【物件取得費の内訳と相場】

前家賃 家賃1か月分の前払い
保証金 家賃6~10か月分
礼金 0円~家賃2か月分
仲介手数料 家賃1か月分

一般的にガールズバーで物件を借りる場合、家賃は20万~40万円程度が相場です。

たとえば、家賃20万円の物件でガールズバーを開業した場合は、約160万~280万円の初期費用が必要です。

【家賃が月20万円の物件で開業した場合の相場】

前家賃 約20万円
保証金 約120万~200万円
礼金 約0~40万円
仲介手数料 約20万円

保証金や礼金、手数料は不動産会社によって異なります。不動産会社によっては礼金が0円の場合もあります。

 

2-2.設備投資費

ガールズバーの開業にあたって、設備に必要な費用は物件によって大きく変わります。

内装工事費(スケルトン) 約30万~60万円/坪
内装工事費(居抜き) 約15~30万円/坪
その他備品に必要な費用(冷蔵設備・什器・清掃用具など) 約20万~100万円

完全に1から内装工事が必要になるスケルトン物件の場合、内装工事に必要な価格が大幅に高くなります。設備投資費を抑えて開業したい場合は、元々居酒屋やレストラン、バーなどに使われていた居抜き物件を探すのが大切です。

備品に必要な費用の相場は20万~100万円と、コンセプトやこだわりによって大きく変わります。費用を抑えたい場合は家具付きの物件を活用する、レンタルする、中古家具を持ち込むなどの方法がおすすめです。

 

2-3.運転資金

ガールズバーの開業資金の中で忘れてはならないのが、運転資金(ランニングコスト)です。開業からすぐに大盛況で利益が出続けるというケースは稀で、固定客がつくまでは売上に大きなムラがある場合がほとんどです。そのため、売上がない状態でも営業を続けるための資金をあらかじめ用意する必要があります。

必要な金額の相場は、以下の通りです。

【1か月あたりの必要金額】

家賃 約20万~40万円
水道光熱費 約5万~6万円
人件費 約28万~35万円/キャスト1人あたり
広告費 約10万~30万円
仕入れ費 約10万~40万円

家賃と水道光熱費は、毎月必ず支払うお金になります。ガールズバーには冷蔵庫や冷暖房設備が必要なため、電気代が多くかかります。

ガールズバーのスタッフ(キャスト)に支払う人件費も、毎月必ず支払うお金です。平均時給は地域によって異なります。東京都のガールズバーであれば、平均時給は2,000円前後が相場です。キャストが8時間働く場合、毎月28万~35万円の費用が必要です。

ほかにも、スタッフを採用するための広告宣伝費がかかります。インターネットの求人サイトに掲載する場合は、毎月5~20万円の費用が必要です。さらにオープン時には、集客のために広告宣伝の費用を多く使わなければならず、合計で10万~30万円程度が広告費としてかかります。

お酒や食材の仕入れ費用は、営業が続く限り支払いも続きます。また、紙ナプキン、ストロー、掃除用具など消耗品や日用品の仕入費用も必要です。お酒や食材に関しては、仕入れ先をあらかじめ決めておき、まとめ買いすることでコストダウンが期待できます。

 

3.ガールズバーの開業に必要な資格・許可

ガールズバーを開業するにあたっては、資格や免許などが必要です。開業前に準備しておかなければ、営業ができないため気をつけましょう。ガールズバーの開業に必要な資格や免許の手続きについて、以下で解説します。

 

3-1.飲食店営業許可

ガールズバーでは、食事やお酒を提供するため「飲食店」としての営業許可が必要です。飲食店営業許可を取得するときには、保健所に申請をして食品衛生監視員による施設検査と書類審査を受けます。ガールズバーが施設基準に適合していると認められれば、営業許可証が発行されます。

飲食店営業許可を発行せずに営業すると、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。また、営業許可には有効期限が設けられているため、期限が切れる前に更新が必要です。

出典:大阪府「飲食店など食品関係の営業許可等」

 

3-2.深夜酒類提供飲食店営業届

ガールズバーの営業形態が以下の要件に当てはまる場合、「深夜酒類提供飲食店営業届」が必要です。

  • 午前0時~日の出までの時間に客へ酒類を提供する
  • 主にお酒を提供し、接待行為(カラオケやキャストとの長時間のトーク)はしない

ガールズバーを開業する場合は、ほとんどが上記の要件に当てはまるでしょう。

深夜酒類提供飲食店営業届に必要な書類は、以下の通りです。

  • 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書
  • 営業方法(営業時間、提供する飲食物の詳細)
  • 店舗の図面
  • 住民票(本籍地を記載したもの。個人ガールズバー経営の場合は経営者の、法人の場合は役員全員)

上記は、法律によって提出が定められている書類になります。管轄の警察署によっては、追加で以下の書類が必要になる場合もあります。

  • 保健所の飲食店営業許可証の写し
  • 物件の賃貸契約書
  • 物件の使用承諾書
  • 用途地域の証明
  • 店舗メニュー表の写し

追加書類に関しては、管轄の警察署に確認をするとよいでしょう。

出典:鳥取県警察「深夜酒類飲食店営業とは」

 

3-3.食品衛生責任者の資格

ガールズバーを営業するためには、店舗ごとに資格保有者を専任することが義務付けられている「食品衛生責任者」の資格を取得する必要があります。

食品衛生責任者は、飲食店における「食品衛生上の管理運営を行う人」のことで、調理師や栄養士が該当します。

スタッフに食品衛生責任者の資格をもつ人がいない場合は、管轄する保険所が実施する「食品衛生責任者講習会」を受講し、そこで合格すれば食品衛生責任者になれます。

出典:e-Gov法令検索「食品衛生法」

 

まとめ

ガールズバーの開業に必要な資金は、約300万~500万円です。物件取得費や設備投資費のほかにも当座の運転資金が必要なため、資金は多めに準備しておくのが大切です。特に開業直後は集客やキャスト集めに広告費がかさみやすい時期です。多めにキャッシュを用意しておけば、立ち上げ時期でも資金不足に陥りづらくなります。

既存の内装をそのまま利用できる居抜き物件であれば、設備費を抑えて開業できます。また、消耗品や日用品の仕入費用を抑えるため、仕入れ先はあらかじめ決めておき、まとめ買いしてコストダウンを図りましょう。

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