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メンズエステの摘発を防ぐ!違法性の回避につながる経営方法

メンズエステ店は、経営の方法を間違ってしまうと、法律違反として摘発される場合があります。メンズエステ店を健全に経営するためには、摘発される理由や必要な手続きについて、事前に把握しておくことが重要です。

そこでこの記事では、メンズエステ店が摘発される理由や、実際に摘発された場合の処分内容などを解説します。摘発を回避する具体的な対策も紹介するため、メンズエステ店の開業予定者や経営者はぜひ参考にしてください。

 

1.摘発の可能性がある違法なメンズエステ店とは?

はじめに、メンズエステ店が摘発されるケースを、根拠となる法律とともに解説します。

メンズエステ店が摘発されるケースは、風営法の届出を出さずに、違法に性的サービスを提供している場合です。「裏風俗」と言われることもあり、ほとんどの場合、表面上は一般的なマッサージ店を装っています。
以下は、風営法に定められた「店舗型性風俗特殊営業」に該当する条件です。

<第二条6項>

二​ ​個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業

引用:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」

このように、「性的好奇心に応じて」サービスを提供している場合は、性風俗店としての取り扱いとなります。たとえば、射精をともなうプレイやキスなどは、性的好奇心に応じたサービスの対象となるでしょう。

性風俗店とみなされる場合、特定の手続きを行ったうえで営業することが、風営法で義務付けられています。
以下は、関連する条文です。

<第三条>

風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

引用:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」

この条文に明記されているとおり、性風俗店を営業する場合は、公安委員会の許可を得ることが必須です。届出をせずに性的サービスを提供している場合、法律違反となります。過去には、メンズエステ店を装った違法営業により、逮捕者が出たニュースも報道されています。

 

1-1.警察に摘発される際の流れ

警察が、違法店の疑いがあるメンズエステを摘発するためには、性的サービスを提供している証拠を掴む必要があります。そのために行われる行為が、潜入調査です。
潜入調査は、以下の流れで行われます。

(1)客を装って来店する

はじめに、警察官であることを悟られないよう、通常の男性客を装って来店します。身なりや言動はすべて一般人と同じであるため、この時点で警察官だと気づくことは難しいでしょう。

(2)施術を受け、性的サービスを要求する

来店後は、実際に施術を受けます。そして、通常のリラクゼーションを受けながら、少しづつ性的サービスを要求する流れです。なかには、裏オプションとして性的サービスを提供している店舗があるため、あえて警察官の方から要求します。このときのセラピストの反応から、日常的に性的サービスを提供しているのかを判断します。

(3)ほかのセラピストによる施術も受ける

通常の男性客を装った警察官は、1人だけでなく、ほかのセラピストの施術も受けます。個人の判断で性的サービスを提供したのではなく、店ぐるみで行っていることを明らかにするためです。リピーターとして同じ警察官が再度利用する場合や、ほかの警察官が違うセラピストの施術を受けに来る場合もあります。

 

1-2.摘発後に受ける処分の内容

では、実際に警察に摘発された場合、メンズエステの関係者にはどのような処分が下されるのでしょうか。経営者・セラピスト・客の3パターンに分けて解説します。

〇経営者

違法なメンズエステが摘発されると、経営者は風営法違反容疑で逮捕され、店舗は営業停止となります。経営者だけでなく、店舗の運営に密接に関わっていた従業員や関係者も逮捕される可能性があります。

経営者に科される罰則は、以下のとおりです。

<第四十九条>

次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者

引用:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」

このほかにも、自治体の条例に風俗経営に関する定めがある場合は、行政による処分も下されることがあります。

〇セラピスト

性的サービスの提供は店側の意向で行われていることがほとんどであるため、セラピストは基本的に逮捕されません。ただし、店舗の経営に深く関わっていた場合などは、逮捕される可能性がゼロではないことを覚えておきましょう。
また、関係者として警察から事情聴取を受けることがあります。家族や友達に内緒にして働いていた場合、違法なメンズエステに関わっていた情報が周囲に知られるおそれがあります。

〇客

メンズエステの摘発により、客が逮捕されることはありません。ただし、摘発の場に居合わせていたときなどは、事情聴取のために警察署への同行を求められることがあります。そのため、家族に心配をかける可能性があります。

 

2.風営法の届出が必要なケースと3つの要件

ここまで紹介してきたとおり、性的サービスを提供しているメンズエステ店は、風営法の届出が必要です。ただし、届出の承認を得るためには、いくつかの要件があります。
具体的な要件は、以下の3つです。

〇人的要件

人的要件とは、店舗の営業者と管理者についての制約です。店舗経営に関わる人物として問題がないことを明らかにするために、いくつかの条件を満たしている必要があります。「成年被後見人でないこと」「暴力的不法行為を行うおそれがないこと」「アルコールや覚せい剤などの中毒者でないこと」が一例です。

なお、管理者とは、営業に関して助言を行う立場の人を言います。ひとつの営業所につき、かならず1人選任する必要があり、複数店舗の掛け持ちはできません。

〇場所的要件

場所的要件とは、店舗を設置する場所や区域についての制約です。具体的には、「用途地域による規制」と「保護対象施設距離による制限」の2つを満たす必要があります。

性風俗店の設置が認められる用途地域は、自治体によって決められており、該当地域以外での営業は認められません。規制される用途地域の多くは、低層住居専用地域や住居地域などの人が住むエリアが対象です。

保護対象施設は学校や病院などの公的施設を指し、その詳細は都道府県ごとに定められています。営業するエリアが用途地域による制限を満たしていても、保護対象施設との距離制限をクリアしなければ、届出は認められません。用途地域ごとの距離制限も自治体によって決められているため、事前にしっかり確認してください。

〇構造的要件

構造的要件とは、店舗の構造や設備に関する制約です。
たとえば、以下のような要件があります。

  • 客室の床面積が1室5平方メートル以上
  • 店の外から客室の内部を見通すことができない
  • 客室に見通しを妨げる設備を設けない(高さ1m以上)
  • 店舗内の明るさが5ルクス以上
  • 客室の出入口に施錠の設備を設けない(店舗の入口には可能)

など

 

3.【届出なし】メンズエステ店を健全に経営する方法

風営法の届出を出さずにメンズエステ店を営業する場合でも、健全な経営であれば摘発される心配はありません。ただし、摘発を回避するためには、いくつかのポイントを守ることが必須です。

ここでは、届出なしでメンズエステ店を健全に経営する方法を、2つ紹介します。

 

3-1.性的なサービスやオプションを絶対に提供しない

店内では性的なサービスやオプションを客に提供しないことを徹底してください。セラピストによっては、一般的なメンズエステで性的サービスを提供してはいけないことを知らない可能性があります。そのため、雇用契約を結ぶ段階でルールを明確に伝えたり、マニュアルを作成して渡したりする工夫が必要です。

また、中には客から性的なサービスを頼まれたときに、上手に断れないセラピストもいます。客から性的なサービスを要求された場合の対応方法を事前に教育するなど、性的なサービスを確実に提供しないための整備を進めてください。

 

3-2.客に禁止事項を周知して同意してもらう

性的サービスを提供しないためには、店側だけでなく、客にアプローチすることも重要です。客に禁止事項を事前に周知し、同意してもらいましょう。

初回利用時に、禁止事項を定めた同意書にサインしてもらい、納得したうえで利用してもらう方法がおすすめです。ルールに同意してもらえない場合、そのまま利用されるとトラブルに発展する可能性が高くなるため、来店は断ってください。また、客がその都度禁止事項を思い出せるように、店内にも禁止事項を記した紙を貼っておくとよいでしょう。

 

まとめ

メンズエステ店は、風営法の届出をせずに性的サービスを提供している場合、警察に摘発される可能性があります。違法行為として逮捕されると、経営者には罰則が科せられるため、注意が必要です。

また、風営法の届出を行う場合は、承認の条件を満たす必要があります。人的要件・場所的要件・構造的要件の3つを満たす必要があるため、事前に詳細を確認してください。

届出をせずにメンズエステ店を営業する場合は、健全な経営を行うことで摘発を回避できます。「性的なサービスやオプションを絶対に提供しない」「客に禁止事項を周知して同意してもらう」などの対策を講じましょう。

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