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企業や事業者は、ヤクザをはじめとした反社会的勢力との関わりを避けるために、取引先や従業員に対する背景調査を徹底するなど、対策を講じることが求められています。また、反社会的勢力との関係が明らかになった場合、社会的な信用を失うリスクも高いので、企業倫理としても重要な問題となっています。
これは風俗業界も同様であり、現在では反社会的勢力とは基本的に関わりがない風俗店がほとんどです。当記事では、風俗店がヤクザを避ける理由や、ヤクザが関係している風俗店を見分けるポイントなどを解説します。
目次
1.風俗業界とヤクザの関係
現在では、風俗業界におけるヤクザの影響は大幅に減少しており、ヤクザと関係のある風俗店はほとんど存在しないと言えます。
昭和から平成初期にかけての日本では、風俗業界とヤクザとの関係が密接でした。多くの風俗店が、いわゆる「みかじめ料」をヤクザに支払い、その見返りにトラブル発生時のバックアップを受けるという形で関係を持っていました。みかじめ料は、ヤクザの縄張り内で商売をする際の場所代や権利代として機能し、風俗店の経営者はみかじめ料を支払うことで営業の安定を図っていました。
また、風俗店を定期的に見回る「地回り」と呼ばれる活動を通じて、自らの影響力を維持し、新たな店舗を傘下に入れることも見られました。
1-1.風俗店がヤクザを避ける理由
風俗店がヤクザと関わりたくない理由は、ヤクザと関係を持つことが店舗にとって、以下のように多くのデメリットをもたらすためです。
暴力団対策法や暴力団排除条例のような法律・条例があるため、反社会的勢力との関係を持つことは極めてリスクが高いです。発覚した場合には営業停止処分や罰金などの行政処分を受ける恐れがあります。
2.そもそもヤクザとは?似ている用語についても解説!
風俗店は現在ではヤクザとの関わりを避け、合法的で健全な経営を行っています。そもそもヤクザとは、一般的には暴力団組員のことを指します。
以下では、ヤクザにかかわる用語について説明します。
2-1.暴力団
暴力団とは、主に日本において組織的な犯罪活動を行う団体のことです。いわゆる「ヤクザ」と呼ばれる存在で、長い歴史を持ち、伝統的な階層制度や独自の規範を有しているのが特徴です。
暴力団の活動は違法な取引や賭博、恐喝、売春、麻薬取引など多岐にわたり、合法的なビジネスを装いながら運営されることもあります。また、暴力団は特定の地域や産業に影響力を持ち、時には地域社会に対して保護を提供するなどの側面を見せることもあります。しかし、その実態は暴力や脅迫を背景にした犯罪的な行為にほかなりません。
2-2.指定暴力団
指定暴力団とは、都道府県公安委員会が暴力団対策法に基づき、指定した団体のことです。具体的には、「特定の要件を満たす暴力団を社会における脅威と認識し、その活動を集団的または常習的に暴力的要求行為を行うことを助長する恐れがある」と判断された団体が指定暴力団となります。
たとえば「六代目山口組」や「神戸山口組」、「稲川会」、「住吉会」などが指定暴力団です。令和4年末の時点で日本全国に25の団体が存在しています。
出典:警察庁「令和4年における組織犯罪の情勢」
指定暴力団の団体の構成員が不当な暴力的要求行為を行うと、暴力団対策法により規制されることになります。
暴力的要求行為の例
出典:愛知県警察「暴力団総合対策」
2-3.準暴力団(半グレ)
準暴力団とは、いわゆる「半グレ」とも呼ばれる集団です。正式な暴力団とは異なり、その組織構造や活動が暴力団に準じるものの、暴力団としての正式な登録や認定を受けていない集団です。準暴力団は、暴力団対策法の規制を避けるために、あえて組織の形式をとらないことが多く、法の網をかいくぐりやすいという特徴があります。
準暴力団は、暴力団と同様に違法な活動を収入源としていますが、組織の形態が曖昧であるので、警察が摘発する際には暴力団として扱われないことがあります。準暴力団は、恐喝や詐欺、違法な賭博、薬物取引といった犯罪行為に及ぶことも多いです。暴力団よりも若年層が多く、ストリートギャングに近い性質を持つこともあります。
また、半グレ集団は、インターネットを利用したサイバー犯罪にも関与していることが指摘されています。
2-4.反社会的勢力
反社会的勢力とは、社会の法秩序や公序良俗に反し、暴力や詐欺、恐喝などの犯罪行為を行い、またはその恐れがある団体や個人を指す総称です。具体的には、暴力団や指定暴力団、準暴力団(半グレ)などの組織的な犯罪集団のみならず、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団などが含まれます。
反社会的勢力の定義は、その行動が社会一般の価値観やルールに反することに重点を置いています。反社会的勢力は、一般市民の生活や企業活動に対して、不当な影響力を行使したり、脅迫や暴力を用いて自らの利益を追求したりすることが特徴です。
3.ヤクザが関係している風俗店を見分けるポイント
最後に、風俗店で働きたいと思っている人に向けて、健全に運営している風俗店を見分けるためのポイントを分かりやすく紹介します。具体的には、以下の4つの特徴が当てはまるような風俗店は選ばないようにしましょう。
3-1.ネットの広告サイトに掲載していない
現代ではインターネットが主流の広告手段となっており、合法的な風俗店の多くはウェブサイトや広告サイトを通じて情報を発信しています。
対照的に、ピンクチラシ(昔使われていた紙チラシなどの風俗広告)を使用しているお店は、ネットバレを避けたいという意図が見えます。そもそも、ピンクチラシのポスティング、配布自体が違法です。
違法な活動を隠蔽しようとする意図がある場合に見られる行動は、反社会的勢力の関与が疑われます。
3-2.無許可で営業している
合法的な風俗店は、所轄の公安委員会から営業許可を得ており、届出確認書が交付されています。無許可での運営は違法行為です。
必ずしも「無許可で運営している=ヤクザなどの反社会的勢力が背後にいる」というわけではありませんが、違法行為をしているお店で働くことはリスクしかありません。
3-3.本番ができることをアピールしている
日本の法律では、風俗店での本番行為は違法です。そのため、公然と本番行為をうたっている店舗や、裏オプションとして提供することは法律を無視していることになります。
反社会的勢力との関連が疑われるほか、反社会的勢力が絡んでいなくても働くのを避けるべき店舗と言えるでしょう。
3-4.携帯電話の番号だけで営業している
正規のビジネスであれば、固定電話番号や実店舗の住所、公式ウェブサイトなどが存在することが一般的です。
携帯電話の番号のみを掲載している場合、その店舗は追跡を避けたり、一時的な営業をたくらんでいたりする可能性があります。これは、短期間で場所を変えながら違法営業を続ける反社会的勢力の手口にも似ています。
まとめ
風俗業界に対する警察の監視は厳しく、反社会的勢力の介入の兆候があれば速やかに摘発される体制が整っています。
また、風俗業界は合法的なビジネスとして成立しており、税金の支払いや労働法規の遵守など、ほかの産業と同様の社会的責任を負っています。よって企業としての透明性を高め、反社会的勢力との関係を持たないことが、ビジネスの継続には必要不可欠です。
結果的に、現代の日本においては、風俗業界と反社会的勢力との関係が以前に比べて薄れているという事実があります。
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