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風俗店が脱税するとどうなる?罰則や税務調査の内容を解説

風俗店は脱税などの不正が多い業界であるとして、税務当局から厳しい目で見られています。厳しい目で見られている業界であるため、少しでもおかしい点があると、経営者は厳しく指摘されてしまうでしょう。

この記事では、風俗店が脱税を行った場合に、どのような罰則があるのかについて、詳しく解説します。さらに、風俗店が脱税を防ぐために大切なことについても取り上げるので、法令遵守を重視している風俗店の経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.風俗は脱税が多い業種?

脱税とは、売上を隠したり、業務で使用しないものの領収書を経費として計上したりするなどして、本来納めるべき税金の金額を不法に減らす行為を指します。風俗は脱税が多い業種と言われており、国税庁の調査によると、令和元事務年度までは「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種」の1~2位となっていました。

令和2事務年度以降の調査では、トップ5には入らなくなりましたが、風俗業は脱税の多い業種として国税庁からマークされていると言われています。風俗店が税金を不正に申告することにより税務署の調査が入り、脱税として摘発されるケースも少なくありません。脱税が発覚した場合、風俗店の経営者はさまざまなペナルティが科されることとなるため注意が必要です。

ここでは、脱税につながる税金の不正申告の内容について詳しく確認しましょう。

出典:国税庁「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

 

1-1.税金の不正申告とは?

脱税や税金の不正申告と見なされる行為として、下記のようなケースが挙げられます。

・無申告

確定申告による納税額の申告を全く行わない行為を指します。最初から納税する意思がないと見なされ、悪質性が高いと判断されるケースもあるため、お店の規模に関係なく注意が必要です。税務署からの指摘後に修正申告を適切に行ったとしても、引き続きマークされて税務調査が入りやすくなるリスクが高まることを押さえておきましょう。

・経費の水増し

プライベートで使用する物品の購入費用や、私的な旅行で使った交通費など、風俗店の事業で使用していない費用を経費として計上することです。仕入金額を水増ししたり、架空の請求書を取引先と共謀して作成したりすることも、経費の水増しによる不正行為に該当します。

・過少申告

売上などの一部を意図的に隠す「所得隠し」を行い、本来の売上額・所得額よりも少ない金額で申告して所得税や法人税の納税額を減らすことを指します。風俗業界は報酬を現金で手渡しするケースがほとんどであり、現金払いをするお客さんも多いため、売上をごまかそうと画策するお店も少なくありません。

・税目別脱税

事業者が納めるべき税金のうち、特定の種類の税金を納付しない行為であり、特に源泉徴収税の脱税が多いと言われています。源泉所得税とは、従業員に給与を支払う際に相当額の所得税を事業者が徴収し、本人に代わって納める税金のことです。事業者は預かった税金を納付する義務がありますが、風俗業界ではこれを納付しないケースも散見されます。

このように、不正申告と見なされるケースは多岐にわたり、意図的に行った場合には悪質性の高い脱税と判断されてしまいます。脱税につながりかねない行為をしっかり認識し、不正申告とならないよう注意する必要があるでしょう。

 

2.風俗店の脱税はバレる?

風俗店の脱税は「いくら脱税したからバレる」というものではありません。脱税した金額やお店の規模を問わず、税務署による税務調査が入ると高い確率でバレることを押さえておきましょう。

風俗業界は脱税の多い業種として税務署にマークされていることもあり、風俗店は税務調査の対象になりやすいと言われています。ここでは、税務調査の概要や調査の内容、調査によって脱税がバレてしまった場合の罰則について解説します。

 

2-1.税務調査でバレるケース

税務調査とは、納税者からの申告内容に虚偽や不正、ミスなどがないか詳細に確認するために税務署などが行う調査のことです。一般的に行われる税務調査は「任意調査」を指しており、お店などに訪問した調査官が書類の確認や対象者への質問・確認を行います。税務署が事前に告知する場合もありますが、事前告知がないケースもあることに留意しましょう。

お店や事務所での税務調査では、会計帳簿や領収書・請求書などの書類、人件費に関する書類などが細かく確認され、申告内容と実際のお金の流れが照合されます。お客さんとの電話やメールのやりとり、お客さんのクレジットカードの支払い履歴などが詳細にチェックされるケースも少なくありません。

税務調査(任意調査)を受け入れるかは「任意」であるものの、正当な理由なく調査を断ると罰則の対象となります。税務調査の時期は特に決まっていないため、いつでも応じられるよう必要な書類をある程度用意しておくとよいでしょう。調査結果で何らかの指摘が入った場合は、修正申告などの対応を適切に行ってください。

 

2-2.脱税がバレたときの罰則

脱税事件として告発・起訴された場合、裁判で刑事責任が問われることになります。不正申告の内容や規模にもよりますが、基本的には「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方」といった刑事罰が科されることを押さえておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「所得税法」

また、脱税がバレると、納税義務者は懲役刑や罰金刑といった刑事罰だけでなく、国税通則法に基づいた行政処分も受けることになります。脱税での行政処分とは、本来納めるべき税金に加えて付帯される下記のような税金を指します。

◆脱税における行政処分

名称 処分が科されるケース
過少申告加算税 本来の納税額よりも少ない納税額を申告したことが発覚した場合
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合
重加算税 過少申告・無申告・不納付について、悪質な不正行為が意図的に行われていたと認められる場合
延滞税 納付期限までに納税しなかった場合

これらの行政処分は、脱税の規模が大きいほど、また申告期限や納付期限から時間が経過するほど重くなり、多額の追徴課税を支払わなければならなくなります。刑事罰を受けた場合は、風俗営業の継続が困難な状態になるケースも珍しくありません。風俗店の経営・営業を長く続けるためにも、脱税や不正申告につながる行為はしないよう心がけましょう。

 

3.風俗で脱税を防ぐ方法は?

風俗における脱税を防ぐためには、風俗店の経営者が適切な確定申告を行うことが大切です。確定申告の時期は2月中旬~3月中旬ですが、日頃からこまめに帳簿付けを行ったり必要書類を適切に保管したりするなど、慌てずに申告するための準備をしておきましょう。

帳簿付けや確定申告の手続き・申告書の作成を自分で行うことが難しい場合は、税理士に依頼することも1つの方法です。税理士費用はかかりますが、申告漏れや無申告といった事態を防げることは大きなメリットと言えるでしょう。税務調査対応の心強い味方にもなってもらえます。

 

3-1.風俗で経費にできる項目は?

確定申告を行う際、経費を適切に計上することで所得税などの節税につなげることが可能です。風俗で経費にできる項目として、主に次のような費用が挙げられます。

◆風俗店が経費として計上できる費用(例)

  • 家賃…お店の家賃や更新料など
  • 光熱水費…お店の電気代・ガス代・水道代
  • 通信費…お店のインターネット料金・電話代など
  • 人件費…お店の従業員の給与など
  • 外注費…お店に所属する風俗嬢・キャストへの報酬など
  • 広告費…ポータルサイト掲載料など
  • 備品購入費…お店で使用する備品の購入費用など

経費計上の判断に迷う場合や節税に関する知識に自信がない場合は、税理士に相談することもおすすめです。本来の仕事であるお店の経営に集中するためにも、申告作業や帳簿付けを専門家に任せることも視野に入れるとよいでしょう。

 

まとめ

風俗店は脱税が多い業種として、税務当局から認識されています。そのため、風俗店は税務当局から厳しい目で見られています。法令を遵守して、風俗店を経営していくためには、会計・税務に関する処理について日頃から注意しておかなければなりません。

会計・税務に関する処理・手続きで不安に感じる場合は、税理士などの専門家に相談することがおすすめです。専門家に相談することで、会計や税務に関する疑問・不安を解消できます。風俗店を経営する方は、税理士などの専門家に相談しつつ、正しく会計・税務処理を進めていきましょう。

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